脂肪吸引後、圧迫服を着ないと腫れはひどくなる!
先日、全身脂肪吸引をされた患者さんがいました。全身脂肪吸引とは上半身と下半身のありとあらゆる部分の皮下脂肪を吸引する手術ですが、通常、全身脂肪吸引の手術は1泊の入院が必要になります。今回その患者さんも当初は手術の翌日に退院する予定だったのですが、もともと貧血気味の体質だったこともあり、翌日になっても血液の数値が正常に戻らなかったため、輸血などの処置をして大事をとってもう1泊入院し、ようやく3日目に退院となりました。退院時は、かなりの腫れと痛みで圧迫服を着れる状態ではなかったため、とりあえず圧迫服は数日間は着用しなくてもいいということになりましたが、それでも術後5日目からは着用するようにという病院の指示がありました。
しかしその患者さんは、日本に帰国してからも圧迫服を着用しないまま過ごし、抜糸の日(手術から8日目)を迎え、日本の病院へ抜糸をしに行ったところ、そこの先生に、“脚が感染症を起こしている”と言われたんだそうです😰
その話を聞いてびっくりした私は、本当に感染症を起こしているのであれば、すぐに病院に報告し確認する必要があるので、患者さんにその部分をすぐに写真撮影して送ってほしいと言いました。
しかし、忙しいのかなかなか写真を送ってくれません。ようやく次の日に写真を受け取ったのですが、写真には脚全体が写されていて、みたところ確認できるのは、腫れと内出血だけです。どの部分が感染or炎症を起こしているのか?と聞いてもはっきりとした回答がありません。
そこでもう一度話の詳細を伺ってみたところ、(抜糸をしてくれた)日本の先生は、その患者さんの脚の腫れがあまりにひどかったのでそれを見て感染症?だか炎症?を起こしているといった表現をしたようです。(実際何と言われたのかはっきり覚えていないとのこと)つまり、実際には、本当に感染症あるいは炎症を起こしているわけではありませんでした。
腫れている状態をみて感染症だか炎症を起こしているといって、患者の不安を煽る医者もいかがなものかと思いますが、医者にそうまで言わせてしまうほど、腫れがひどくなってしまったのには患者さんの責任でもあります。脚の腫れがひどくなってしまった原因、それは、圧迫服を着用していなかったからです。
実際、患者さんは手術をしてからこの日まで下半身の圧迫服は一度も着用していませんでした。上半身のほうは5日目からきちんと着用し始めていたので、抜糸の時にもその先生は下半身だけを指摘したのでした。
ご本人曰く、着用しようにも、思うように体を曲げられ無いなどで、一人で着るのがとにかく困難で下半身は着用していなかったと言います。そうして圧迫服を着用していなかった下半身は、腫れがどんどん悪化していったのでした。
そんなわけで、下半身の圧迫服は手術をして10日が経ってようやく、家族の方の助けを借りてなんとか着用し始めたわけですが、着用を始めると、嘘のように腫れがどんどん引いて良くなったそうです。
脂肪吸引の手術後に、必ず圧迫服を着ないといけない理由、これでおわかりいただけたでしょうか。韓国ならどこの病院でも圧迫服はオーダーメイドでご自身の体のサイズを採寸して作成しています。圧迫する服ですので多少きつくて着づらいことはあっても、サイズが合わずに入らないということはありませんので、皆さんも脂肪吸引の手術を受けたら、必ず圧迫服は着用するようにしてください!
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