難しいとされる整形の復元手術

一度整形をしてしまうと、なかなか元の姿に復元するのは難しいことです。正確にいうと、どんな方法でどういう手術をしたかによって、また現在どのような状態かによって、ある程度復元できるものもあれば、困難なものがあります。

整形手術ごとに基本的な手術方法というのはありますが、専門医ごとに考えや意識が違うため、手術方法も少しずつ差があります。また同じ手術を同じ方法で受けたとしても、体質や皮膚の状態は人それぞれ異なるため、結果が皆同じとは限りません。

そのため、復元手術を考える時に、まずしなければならないのはその手術を担当した医師と相談することです。何が問題なのか、本当に復元手術が必要なのか、また復元は可能なのかを確認する必要があります。

整形の復元が可能なもの

・溶けるフィラーで施術した場合 ➡フィラーを溶かします
・手術部位に補形物を挿入した場合 ➡補形物を除去します(胸の場合、皮膚のたるみが生じる)
・糸によるリフティングをした場合 ➡糸を取り除きます(皮膚に癒着する前にする必要がある)
・埋没法による二重手術 ➡埋没した糸をほどく(皮膚に癒着する前にする必要がある)

上記に挙げたものは、施術後でも簡単に除去できる材料で整形した場合です。材料を除去すればある程度復元は可能ですが、長い年月が経過していればいるほど、復元は難しくなるというのは言うまでもありません。また、簡単に除去できるといっても組織の回復状態によっては、完全に元の姿に戻ることは難しいですし、簡単に見えても実際の手術過程は簡単ではないものもあり、手術費用が高額になることもあります。

整形の復元が困難なもの

・皮膚の組織を切り取ってしまった場合 ➡目頭、目尻、二重切開法、眼瞼下垂、上・下眼瞼拳上術、小鼻縮小など

・骨を削ったり切り取った場合 ➡ワシ鼻矯正、鼻背折骨、エラ骨切除、顎先折骨、頬骨縮小、両顎手術など

・筋肉を切除した場合 ➡眼瞼下垂、ふくらはぎ筋肉切除、咀嚼筋切除など

上記のものは、元の状態に復元することはとても困難なものたちです。皮膚の組織や骨を多く切り取ってしまっているほど、再手術も難しくなります。復元する方法としては、他の部位から軟骨を採取する、人工骨や人工皮を使用する、他の部位から皮膚組織を移植するといった方法があげられます。

整形の復元を専門とする病院はあるのか?

すべての整形手術において言えることですが、専門病院の基準は特に定められてはいません。整形外科を検索してみると、鼻の整形の専門、目の整形の専門、輪郭整形の専門、再手術の専門といった文言を目にすると思いますが、これは広告を目的として謳っているだけで、特定の団体や協会が定めた基準があって指定された病院などではありません。

復元手術についても同様に、復元だけを専門にした復元専門の病院はありませんが、復元手術の経験と症例を多く持つ医師のいる病院は存在します。いうまでもありませんが、病院選びで大切なのは、その医師がその手術においてどれだけの技術、経験、症例数を持ち合わせているかを判断することです。

整形に失敗したら復元すればいいと考えるのは非常に危険です。また復元が必要な事態が起こらないようにするために大切なことは、慎重に病院を選択することです。それでも復元しなければならない状況になってしまった場合は、〇〇専門という広告に惑わされることなく、きちんとした技術と経験値を持ち合わせた医師のいる病院を尋ねて相談することが必要です。